ごみの固形燃料化システム
ごみの固形燃料化システムとは
廃棄物をエネルギーとして熱回収する方法の一つとして、廃棄物を原料とした固形燃料を作り、石炭の代用品として発電や工場用のエネルギーに利用する方法があります。ごみ固形燃料化システムとは、廃棄物を破砕後、加熱圧縮して固形燃料を製造するシステムです。
ごみ固形燃料には、一般廃棄物から作るRDFと、材料を紙くずや木くず等の可燃物と廃プラスチック類に限定したRPFがあります。現在の主流はRDFですが、RPFはRDFに比べて熱量が高く、有害物質が少ないのが特徴です。
徳雄産業では、廃棄物の分別を徹底して高品質のRPFを製造しています。徳雄産業で製造されたRPFは、大王製紙株式会社の業務に使用されています。
※RDF…Refuse(廃棄物) Derived(由来した) Fuel(燃料)
※RPF…Refuse(廃棄物) Paper & Plastic(紙とプラスチック) Fuel(燃料)
ごみ固形燃料化の利点
ごみ固形燃料化には、以下のような利点があります。
・最終処分場に送られるごみの量を減らすことができる
・ごみを圧縮した燃料のため、ごみそのままの状態に比べて輸送・保管に適している
・ごみそのものを燃やすより安定した燃焼ができる
・化石燃料の代替燃料となるので、石炭や石油の保存に有効
ごみ固形燃料と石炭
ごみ固形燃料は石炭の代替燃料として使用されます。
ごみ固形燃料は石炭と同等の発熱量を得られる上、価格も石炭の半分程度と、コスト面などでも石炭より優れた燃料であると言えます。
RDF | RPF | 石炭 | |
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原料(成分) | ㆒般廃棄物中の可燃物(不燃物の塵芥が混入) | 廃棄物中の紙くず、木くず廃プラスチック | 炭素、酸素、水素 |
発熱量 | 3,000~4,000kcal/kg | 6,000~10,000kcal/kg(混合比を変えて調整可) | 7,000kcal/kg |
灰分比率 | 20%以下 | 6%以下 | 10~20%程度 |
用途 | ボイラー用燃料乾燥機用燃料、RDF発電 | ボイラー用燃料高炉吹込燃料、RPF発電 | 発電、製鉄などの燃料コールタール等の原料 |
徳雄産業で製造するRPFは、以下のように規格が定められています。
原料 | 廃プラスチック類:60% 古紙・木屑:40%相当 |
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燃料比重 | 0.45g/cm3前後 | |
低位発熱量 | 6500±500kcal/kg | |
粒度 | 40Φ×60~100mm(長さ) | |
成 分 | 灰分 | 5.0wt%以下 |
全塩素分 | 0.2wt%以下 | |
燃焼性硫黄分 | 0.1wt%以下 | |
水分 | 8.0wt%以下 | |
窒素分 | 0.1wt%以下 |
その他、異物が混入して燃焼したときに有毒ガスが発生しないよう、厳しく品質を管理しています。
RDFやRPFは現在、発電所や工場の燃料に使われています。(※写真はイメージです)
ごみの固形燃料化システムの課題
現在指摘されているごみ固形燃料化システムの問題点は、RDFやRPFを有効利用できる施設が少ないことです。
RDFやRPFの原料はごみなので、燃焼させるとごみを燃やしたときと同じようにダイオキシンなどの有害物質が発生する可能性があります。そこで、RDFやRPFを使用するには、発生する有害物質を処理できる専用の設備を購入することになります。
大工場や工業団地などの大規模な施設であれば、専用機器の新設コストをかけても、安価なごみ固形燃料を使用するメリットがあります。しかし、そのような大規模な需要先はあまり無く、あったとしても、施設周辺の住民の同意を得るのが難しいというのが現状です。
ごみ固形燃料を普及させるには、専用機器の低額化や補助金制度を整えて、受け入れ態勢を作ると同時に、ごみ固形燃料の厳しい品質基準や使用時の排出ガスの規制等を設け、広く安全性をアピールすることが必要です。